雪と灰

だいたい愛を叫んでるよろずぐだぐだ日記。

黒蝶のサイケデリカフルコン

ずっと気になっていた黒蝶のサイケデリカフルコンしました!合わせてトロコンも完了〜。
普段ゲーム感想はついったーで垂れ流すだけなんですが、六角館なみにネタバレまずい感じの内容なのでこっちで叫びます。

黒蝶のサイケデリカ - PS Vita
アイディアファクトリー
2015-01-29


 

一言でまとめると、面白かったけど乙ゲとして攻略したの一人だけだった気がする!!!って感じです。
好き順は、紋白・鴉翅> 緋影>山都>鉤翅、というタイプのにんげんの感想。というかキャラとしては一人をのぞいてわりとみんな好きでした。
 
キャラ+√感想というネタバレ。本当にネタバレしかないので未プレイの人は見ないでくだされ。

















脳直感想なせいでくそ長い上に冗長です。



【ベスト、全体】
一番最初に終わったのでもう記憶だいぶあやふやなんですが、いちばんきれいなトゥルーエンドという感じでした。乙ゲというより一本の物語。
もともと原画作家さんが好きだったので気になっていたんですが、メンタルやられると聴いて躊躇してて。でも想像よりも希望もあるし、なんだかんだ未来が明るい正統派現代ファンタジーだった。もっとさあ……ぎやああもうやめてくれええ!!!ってなりそうなえっぐいやつだと思ってたから……。繊細でもろくて過去から抜け出せない、痛ましい少年少女たちが一歩を踏み出す物語。ラスボス撃ったあとの紅百合のスチルがめちゃめちゃきれいで結賀さん天才すぎた。
話としては面白かったのですがこれ、今後このメンツに主人公が恋する可能性なくないか???と思わなくもない。本人√で書くけど、私はアキちゃんが報われなさすぎていろいろつらい。

理解が足りてないメモ;
・BADのあれは結局何だったんだろう。フルコンしたけど気づきそびれてしまった……。伏線がいろんな箇所で明かされるので、どこかにあったのかなあと思うのですが、何を示していて、なんであれを直視するとBADになるのかが謎。仕組みも謎だ……紅百合のメンタルに打撃きたのだとしても、それが何なのかがわからん。もっかいやればわかるのかなあ。
・なんで紅百合のピン、というかアキちゃんがプレゼントしたアクセに欠片が?「館の主と仮面の少女(うろ)」を読むまでは、たまたまかなって思ってたけど、あれはもともとは現世に残ってたってことだよね?砕いたときに残ったままになって、アイちゃんが湖に落ちたときに流れ込むとかしたのが概念的に現れたのであって、別に行商人の売ってるピンにあったわけではない?のか?




山都
ほそやんの細かい演技がうますぎる……。告白のシーンとか、テキストだとそんなに特徴的なセリフじゃなくても、どもり方やちょっと声がかすれて動揺している感じとか、天才か???ってなった。
あと圧倒的兄力!!!!!いやもーほんと、記憶取り戻したあとのぶっきらぼうだけど穏やかで、照れながらちゃんと伝えたいことも言える山都、最高では????好き順位あとの方にしてるけどそれは他が色々ずるかっただけで山都もめっっっっっちゃ好きです。いいやつ……。幼少時代とんでもない悪ガキだけど、いじめっこではないし、弟のことだってちゃんと気にかけてる……というか小さい頃からブラコンですよねこのひとは。サッカーするとき絶対カズヤと一緒のチームになりたがる。おまえはおれと組むんだよっ、てどんだけ弟大好きなん。そんでカズヤは審判でもいいよって毎回言うし。最高ですよ神田兄弟は。このゲーム恋愛より家族関係や友情の方がアツかったです。
わんぱく坊主だったタクヤがかすかな憂いと静けさを持つ、ほどほどに明るいけど影のある青年になったわけで。理由が辛すぎる。
あと山都のときも、ところどころで見られる常識人っぽさと兄属性な感じがめっちゃ良かった。緋影がスマホ知らなくて見栄張るのに対し、いやそこは見栄張らなくていいだろもうバレバレだよ、みたいな冷静なコメントしているの良すぎた。同じ兄でも全然違うねこの人たち。あとまだ化け物になる前あたりで弟のことを尊敬してる、的なこと言ってたのおまえが尊すぎるって感じでした。カズヤ安心しろ、お兄ちゃんはめちゃめちゃきみのことが好きだぞ。
紋白のこと、何考えてんのかわからんって言いながらも、けっこうちゃんとわかってるし、くっついてくる紋白とうまくやっているの、まじ兄弟の絆。たいへん好きです。

タクヤ√も、それまでの密会や現実世界での暗い共感のくだりがあったから、わりとすとんとくる終わりでした。ていうか何度でも言いたいけど告白シーンの演技秀逸すぎた。すっすきだ、みたいなあの、声じゃないとわからないかんじ……すごい……。そのあとの「思いがけないこと」もあの表現じゃなかったら恋愛スキル上がりすぎかよ!!ってのんびり見てられたのに、うますぎてタクヤ〜〜〜がんばったな〜〜〜!(涙)みたいな感動に浸れた。演技に圧倒されすぎて珍しくシナリオ萌えじゃないところでテンション上がりました。

山都√、わかりやすくメリバなんだけど、そしてけっこうひどい感じなんだけど、でも正直すごい好きでした。お互いに相手を腐らせ合う、山都の爪が紅百合を突き破る。共依存であちゃーなんだけど、紅百合がきちんと山都に心を明け渡して落ちていく感じが好きです。ただ、フルコンしてから思うことは、紋白では引き止められなかったのか、と……。壊れていく彼を、紋白はどんな気持ちで見ていたのかなあと思うとふつうに悲しくなってしまった。



鴉翅
好きって言ってやれよ!!!!!!!

いやまじこれを吐き出したくてこの記事書き始めた。アイちゃん最後、心の中ではアキちゃんが好きって思ってるじゃん……それ言ってあげてよ……。アキちゃんエンドだしアキちゃん自身いろんな屈託が消えた晴れやかな笑顔だけど報われねえ……。
某あんしゃんぶぶしゅた〜ずの女なので鴉翅めっっっちゃ好きです。いやス◯ルさんと声同じだからでしょ?ってことじゃなくてですね。いやはいそれもあるんですけど。まあべつにあんすす沼に住んでても鴉翅苦手な人いるとは思うけど。わりと人選ぶキャラだよね。
何も誰も信じない、明るく女の子にひどいこと言っちゃえる鴉翅、ぶっちゃけこのままでもすごい好きだった。そういう賢さと冷徹さを享楽で煮たようなどうしようもねーキャラ良い。
でも実際のアキちゃんは、すごく懸命にあがいている、弱くて脆い自分を抱えながらも逃げないように踏ん張っている、そういう意味で心を強く持てる人だったなあ。たぶん本当はいつだって不安で、今にも虚勢が剥がれそうで、だからいっぱいいっぱいな部分もあって。で、結局過去を振り切れてない自分もわかってて、だから同族嫌悪というか、アイちゃんやタクヤ、ひいては山都にイライラして当たってしまう。しかもこのひとはきっと、頭のどこかではそれが八つ当たりかつ一種の自己嫌悪ブーメランなこともわかってるんだろーなあと。だってアキも全然前向けてないもんね……。でもそもそも前向く気がない二人に比べ、アキはそれでもちゃんとしようとしているところが不器用な人間って感じで好きです。
あとアキちゃんも結局、みんなのことちゃんと好きなんだろうなって、フルコンして思った。山都につっかかっちゃうのも、本当は、クソガキの極みだったとはいえトラブル起きたときにとっさに大人呼びにいったりリーダー性のあるタクヤのこと、ちゃんと好きだったからだと思うんだよな。すごいやつだって思ってたからこそ悲しくて腹が立つ。みたいな。言動や行動の端々から感じる、幼馴染特有の腐れ縁的仲の良さというか。気が合わない!って言いながら、腐っていくタクヤは嫌だと感じる、それは確かに友情だと思う。まじできらいならアイちゃんだけじゃなくタクヤにまで「なんでそんな風になっちゃったんだよ」みたいには思わないんじゃないかなーと。

で、恋愛面。このメンバーの中で一番明確に恋をして、幼い頃からアイに釣り合う自分になろうとしていたん……では……。ナッちゃんも自覚的だけど、ちょっと動き方が違う、かな。あのひとは抜け駆けでためらいなく禁じ手使ってるところあるからなあ。
アキちゃんは自分を弱いって言うけど、小さい頃から心の強い子だったと思う。自分がいじめられていて、でも輪から外されるのが嫌でみじめたらしくへこへこしちゃうのに、アイちゃんが殴られそうになったらかばうために前に立てる。きっと明日から学校に居場所がなくなるのもわかった上でできるのが、すごいなって。幼少期エピソードで一番ヒーローしてたと思うんだけど……。
鴉翅も、なんだかんだ毒吐きながらも、警戒心を持て、って忠告してくれるし、信用してないくせに異分子がいるって教えてくれるし。あの空間ではわりと現実的に動いてるわけで。てか異分子って感じるくらいに幼馴染メンバーのことよく見てるし大好きなんじゃん!!!紋白とは意外にもぜんぜん喧嘩してなかったし。
まあ「綿菓子みたいな子」はいや本当にアイちゃんのこと好きなのきみ???って思ったけど。イラつくのはわかるけども。鴉翅√ではさすがにあそこ、もうちょっと真意を深堀りか、せめて共通√にしないでやれよと思いましたが。
そんなアキちゃんに対して、アイちゃんあんまり愛情ないのがきっっっつい。現実世界エンドを見たところ、アイちゃんぜんぜんアキちゃんのこと大事に思ってないよね。昔仲が良かった幼馴染としてもなんだか扱いが……。カズヤの病室に逃げたときに、もう少しアキちゃんのこと思い出す描写とか、学校でふと見かけて動揺するとかあればよかった。あるいはむしろもっと身勝手でずるい女の子として、恋人にはなりたくない、まだ過去の人を想っていたい、でも好きでいてほしい、ただそばにいてほしい、いなくならいなでほしい、みたいな自己愛に偏ったエゴを抱えていたりとかでも良かった。そういう酷い女の子好きなんで。でもアイちゃんは、もしこのままアキちゃんと疎遠になっても欠片も気にしなさそうな感じだったじゃないですか。昔馴染みとしても、毎日登下校ともにする相手としても愛着ないのでは!?!?って感じちゃってしんどかった。好きの反対は無関心かよ。
紅百合の、黒蝶が吸われる媒体がピンだったことに、深層意識で現実世界の大事な相手からもらったもの、みたいな一縷の希望は持ったけどさあ〜〜〜!なんかアキちゃん関係なさそうだし。モーニングジュエリーならやっぱりナッちゃんなんですかね……。
それで現実に戻ってアキちゃん選ぶのも、なんというか前を向くための手段として、って感じがしなくもないし、ほぼ共通クライマックスからの個別だからまだぜんぜんナッちゃん心に住ませてるでしょ……って感じがする。タクヤ√は密会のくだりがあるからまだしも……。でも一応むりやりでもアキちゃん好きってことになったんだからせめて言ってあげてほしかったとです。本人嬉しそうだけど報われた感ない。

鴉翅√も、あんなにちゃんと考えなきゃだめだ、目をそらしちゃだめだ、って一番言ってくれてた彼が何も見なくていい、考えすぎ、って笑うのきついなー。でもここで鴉翅に紅百合がうっとりしてたらまだよかったけど、心に欠片が刺さって〜みたいな本当は好きじゃない感あってつらい。

あと√入る前やショートストーリーでやたらべたべたスキンシップしてくるの、おまそれはアウトでは?というのもあったんですが、現実世界エンド後に見るとなんか自傷行為みたいにも感じられて苦しい。

まとまらなくてアホみたいに長々書いちゃったけど攻略対象の中ではアキちゃんが一番報われてほしいキャラでした。


紋白
全√で一番泣いた。
泣いたのはベストとカズヤと緋影なんですが、一番良い意味で泣ける√というか。すぐ涙腺にくるちょろいおたくなので、ベストは本を読んだときと同じかんじでいい話だナーで泣いたけど、カズヤ√はカズヤの孤独や強さ、優しさと愛情を想って泣いてしまうかんじ。
この話の中で、カズヤが最も善性に寄ったキャラだった気がする。二次元キャラはゲスもクズも大好きだけどまぶしいほど良いひとも好き!!!!
フワフワしているようですごく自分を持っているというか、譲らないところは譲らない人。孤独に苛まれ続ける寂しがりなのに、それでも誰かを傷つけてまで生き返る必要はないって抜け出せるのは、優しい強さだなと思いました。てかナッちゃんみたいに歪む可能性は同じくらいある環境だったのに、誰よりも無垢なままだったな……。まあ弱っていってはいたというか、ある意味歪みはあったのかもだけど。
何より、カズヤはアイちゃんだけじゃなくて、本当にみんなが好きだったんだよなあ。緋影の仲間になって、たぶん自分のことを疎んでいるんだろうなっていうナッちゃんも含めて、大好きな幼馴染たちの近くにまたいれることが嬉しかったんだなあって。でもまあこのグループの内実はわりと荒れ放題だったと思うのできっついけど。でも紅百合だけじゃなくて、大好きな仲間を返したくて奮闘するの、冷静に見ると無謀だけど愛おしい。
紋白と山都の関係も良かった。幼少期何もおもってなさそうでわりと兄のこと大好きだったんだな。山都になついてそばをうろうろしたり、慰めようと頭をごしごししたりするとことか、なんか胸がぎゅっとなった。大好きな兄とまた交流できるのが嬉しくてたまらなかったのか……って思うとしんどみがすごい。
カズヤは一番幸せになってほしいキャラでした。

あと紋白(カズヤ)√の紅百合が一番好きです。鉤翅に何と言われようと、大切な友だちを取り戻しにいくと言って譲らない、自分の意志と相手への想い(恋愛とかそういうの抜きにしても)を感じられるのがすごく良かった。逃げたいし、生き返れなくなるかもしれないし、取り戻せないかもしれない、そのリスクをわかっていてなおその選択を捨てられないところ。あときっぱりと√相手を優先するのがゲーム的には良かったです(笑)。アキちゃん√もタクヤ√も、金太郎飴方式ゆえにナッちゃんとの絆の方が感じられるシーンばっかりだったから、現実に帰ってきたとき、アキタクヤどっちでもいいのでは?いつ好きになった?みたいな。この√のアイちゃんはちゃんとカズヤくんを好き、あるいは好きになる感じがする。
あとカズヤに手を伸ばす紅百合のボイスの、必死な叫びがほんっっとうに良かった。紅百合が生きているって感じした。


鉤翅
すまん……正直……好きになれんかった……。以下けっこう辛口というか、批判とかではなく単純にキャラが合わなかっただけなんですがアレな感想なのでご注意。たぶん設定的にもキャラ的にも人気だろうなというのはわかる。

鉤翅のこと、みんな優しいひとだって言うけど、別に優しくはないのでは……???
私が投影型じゃないからかもですが、彼が優しいのは紅百合=アイちゃんにだけだし、それは幼少期からそうな気がする。見せられたストーリーがそういうシーンをピックアップしてるだけと言われればまあそれはそうなんでしょうが。基本的にアイちゃんの望みを叶えるために行動してて、それは本質的にはアイちゃんに好かれたいからなわけで。いや相手に好かれたいからその人がよければそれでいい的行動取るキャラ、好きなはずなんですけどね。幼馴染、小さい頃に結婚の約束、そのちいさな、でも真剣なままごとを胸に必死にあがいてきた、ってもうめちゃめちゃどストレートに好みど真ん中設定なのになぜだ……。
たぶん、もっと純粋に体当たりで必死か、もっとエゴ満載で何を踏みにじって地獄に落ちようと願いを叶えてみせるって激しさが見られればよかったのかもなあ。もとはもっとまっとうに優しくて、その優しさかなぐり捨てて恋と自分の望みのために生きるような。
それにアイちゃんに愛されることだけを希望に狭間で過ごしてきたわりに、アイちゃんと接するときも自分に逃げ道を用意しすぎというか……迫り方が、なんかずるくてモヤる……。鴉翅みたいに無遠慮に迫れとは言えないけど、せめてもっとストレートに好意を伝える捨て身さがあってもよかったなあ。アイちゃんを信頼されている自覚がある上での行動が、なんだかなんだか。
かわいそうなひとだと思うし、生き返ってくれたらいいのにとも思うし、救われてほしくもあるけど、CPとしてもキャラとしても愛せなかった……。でもアイちゃんは彼が好きなんだなーと思ったし、ベストエンドからして鉤翅に心のぜんぶ持ってかれている感はあったので話としてはわかる。

でも!!!!さあ!!!紋白が奈落に落ちるの、追い打ちかけてるシーンが!!!
紋白がグダグダ言うのにカッときて、僕だって生き残っていたかった君の立場がよかったってつい言ってしまう、とかならともかく、このひとふつうに冷静なまま、色々考えた結果あの言葉を告げたとしか思えないんですが。それを自覚的にやっていて、覚悟してその選択を続けているなら好きになれたかもなんですが、中途半端な感じがする。アイちゃんには僕には助けられなかった〜って言うけどいやあなたが突き落としましたよね!?みたいな。ここもね〜、諦めようってにっこり笑って言うような自分勝手さ見せてくれたらまだしもな〜。でも改心したからカズヤ√でタクヤたちが戻ってきたんだろうし何とも言えん。
なんか約束というチートでアイちゃんを誘導している感じも……いや普段ならそういうのも好きなのに……なんでだ。

大団円√、実質ナツキエンドだけど、あの約束はもう決して叶わない、失われた美しい約束だからこそ染みるので、大団円の紅百合ちゃんにはもっとガチな感じで「え!?いやいやそんな子供の頃の約束!そのネタで遊ぶのやめてよ〜!」って感じでバッサリいってほしい。というか大団円の紅百合ちゃんはあの時点では誰も好きじゃない方が楽しい。
ナッちゃんが振られてほしいということじゃなくて、そんなあ、って落ち込みながらもまた振り向いてもらおうと頑張るナッちゃんの健全な愛情表現が見たいなって。もっとなりふり構わずアタックせい。

あと序盤で「こういうの女の子の方がうまいよね」って紅百合に手当てさせるの、いや知らんがなってモヤったんですが、これってアイちゃんは応急処置が得意って知ってたから?それならポイントあがる。

鉤翅エンドと「付き合ってる人について(うろ)」を読んで、あーこのひとの中身は、あの年齢のまま止まってるのかもな……ってちょっと思った。そうだとしたら7歳の少年の心がベストエンドのあの結末を選んだのは悲しくて少し好きになれる気がする。
そして、だからこそなんだか見ていて飲み込めなかったのかもなあ。どんな方向であれ、みんなある程度成長している。カズヤは孤独とその恐怖を知りながら間違いだと思うことから決別する強さを、タクヤは罪悪感と悲しみから人の気持ちを慮ることや今言えることをきちんと伝えることを、アキちゃんはたとえ根本的には変われなくてもそれでも変わりたいとあがく勇気を。そしてアイちゃんは自分の選択や人の輪について慎重になったわけで。その中で、ナッちゃんだけは時間が止まったまま。大人の姿で、どちらかというと自己愛の強い幼子のままアイちゃんを望む姿を歪に感じたのかもしれない。それは決して彼のせいではないのだけども。

ただ鴉翅のスキンシップもまあおまえちょっとは遠慮せい!訴えられるぞ!ってかんじだけど、鉤翅もまるで彼氏面でハグするのおやめ!となってしまった。緋影のむりちゅーは緋影(´;ω;`)ってなったのになあ。




緋影
こいつぁメインヒーロですよ!!!!!
設定の大勝利という感じ。あと一番攻略!!!って感じあった。選択肢ぜんぜんないけど……。
繊細で、もろくて、やさしいひとだったろうに。必死に妹のために駆けずり回って。緋影にとってウサギちゃんがすべてだったのに。
言いたいこといろいろあるけど、なんだかんだ好きにさせられるメインヒーロー、すごい。
あと序盤のクールで硬派な緋影さん(いま思うと超性癖に刺さるクールな大正男子ってかんじ)、今までそんなに味わってこなかったタイプの石川さんだったから、なんか覚えあるし好きな喋りだけど誰だっけこれ!?!?って地味に気になってたら本性でアッいしかあさん……ってなったし、過去の優しいお兄ちゃんは完全によくご存知の石川プロでした。引き出し多いなあ!
あと、この√は過去のいろんな経緯をすべて取っ払って、このお話の中で誰かに恋をする女の子の紅百合が見れてよかった。何にも縛られず、心のままに人を好きになってしまう過程が見れて、乙ゲだ!っておもった。そういうの見たかったよ〜!ただ緋影はどのへんから落ち始めたのか判断が難しかった……。

サイケデリカはここだった、なんて悲しくて美しい言葉だろうな。この穏やかな緋影が見れただけでいいゲームだった……ってなるね。でも!!!!あなたそんな好きな相手が自分の目の前で頭撃ち抜くの見せられる紅百合ちゃんの気持ちなんも考えてないね!?!?!?そういう自分でいっぱいいっぱいで無神経なところ嫌いじゃない!!!生まれ変わってお互いに優しく穏やかな恋をしてくれ。

ところで、仲間にひそんで信頼されてぶっ壊してやろう的なこと言ってるけど、あなたぜんぜんカズヤの演技してない……ですよね……?みんなに記憶がないにしても、カズヤ本人知ってさえいるのにぜんっっっっぜん違うジャン!っていう。つまりあれは、まあまあ装っていたとしても、わりと素なのでは?
って、クリアしてからずっと思ってた。そうならかわいい人だなあ。

それとウサギちゃんの過去語りはじまったときぶっちゃけ義妹×義兄の箱庭恋愛事情が明かされるのかと内心ワクワクしちゃってたらふつうに健気で美しい家族愛だったので大変すみませんでしたって反省しました。心汚れすぎかよ……。

追記:時間経ってじわじわ思い出してきた。
蝶のつがいの話をしていたときの紅百合の言葉に、「君は強いんだな」と言う緋影が最高に好きだった。あのシーンがこの作品の白眉だったのかもしれない。あれはお兄様だよな。そしてあの瞬間に彼は相手を尊敬するという感覚から導かれる恋慕の情に落ち始めていたのかもしれない、と思うと激アツです。
そういえば気になるのは、僕にはできなかったことができる……って言ってたのや、序盤の君も妹がいるのか、って言葉から、もしかしてどこかでは自分に大切な妹という存在がいたことを悟っていたのか?この辺むずかしいな。

しかし生前の妹だけが拠り所だった繊細で心優しく忍耐強かったお兄様、正直めちゃめちゃ好みです。狂わなくてもぜんぜん愛せた。


ウサギ
緋影√はウサギちゃんBADだったのでは????ってくらいウサギちゃん最高かつ辛すぎるんですが。なにこれ。好き順位この子入れると圧倒的ウサギちゃん一位。
いつか優しいお兄様に戻ってほしいという願いを捨て切れずに、諦め切れずにその残酷な行動に手を貸し続ける。そういう意味では、わりと鉤翅とやっていることと同じなところもあると思うのですが、その身勝手さをわかった上で、止められないことで自分をずたずたに傷つけながら、それでも一縷の希望にすがってボタンを掛け違え続ける愚かしさがめっっっっちゃめちゃ好きです。優しくて強くて健気な女の子。あと緋影√なのに緋影よりウサギちゃんと密会したり、秘密のお手紙したり、庇われたりで、ウサギちゃん攻略している気分だった。それでもよかと思います。
緋影に顔を見せられていたら、もっと早く残酷な行動を止められたのかもしれないとも思うけど、常世からずっとメンタルボロボロの兄を見守ってきて、しかも最後の最後で変わり果てた自分を妹に見られるのを恐れて自殺したところまで見ちゃったら、正体明かせないよなあと思った。もし顔を見せて、妹を見つけて、もっと壊れてしまったら?これ以上傷ついてほしくないよね……。つっっっら……。がんじがらめで弱くてつらくてそれでも逃げ出すことだけはしなかったウサギちゃん。最高です。
正直鉤翅にこのポテンシャルがあったらなあ……!!!!すごい推せた気がするのになあ。

そういえば、お手紙もらい続けてお部屋に招待しちゃって、おもてなししなくては!って浮かれるウサギちゃんかわいいな〜とおもってたけど、そもそも生前友人もいなかっただろうし、憧れの「ともだち」を精一杯おもてなししたかったのかと思うと泣けます。


紅百合

 過去設定もりもりで人と一定の距離を保つ主人公。けっこう好きな部類なはずなんですが、特定の√以外はそこまでだったなあ。投影型の人はきついかも?と思ったんですが、設定もりもりだけどわりとフラットな人格でもあって、それがこの設定にしては惜しいけど逆に投影にはちょうどいいのかもという気持ちになった。ただ私はこのタイプのシナリオ重視っぽい話は癖のあるヒロインの方が好きになれるのでもうちょっと!という感じです。けど紋白ラストのアイちゃんはめっちゃ好き。
どなたかも書いてらっしゃいましたが、もっとどろどろに弱くてどうしようもないダメ女子、もっとエゴにまみれた残酷な身勝手さをもった子、逆にもっと無謀だけど太陽みたいな女の子、みたいに もうちょっと振り切ってたらよかったなあ。
でも、私は醜い、って独白はたまらなく好きでした。醜く、おぞましく、唾棄すべき身勝手さに自分のことながら吐きそうになる……そういう弱さと自嘲するかんじは愛しかった。弱くてずるくてどうしようもない女の子、というものが好きです。あとちょっとってかんじ…!
てか男どもを攻略しているというより、紅百合を攻略している感もあった気もする。愛してやってくれよ!!!!みたいな。

色々あるけどただ圧倒的に顔がいい。顔が好き。結賀せんせーの赤髪ロング女子最高でした!
 

おしまい!次は灰鷹やります。 

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うだうだおたく日記です。ときどき二次創作。
某アイドルゲームに人生吸われてます。

押してやると喜ぶ。




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